断絶覚え書き

書いたり書かなかったり

パラサイトの感想

www.parasite-mv.jp

Twitterで毎日タイトルを聞くパラサイトを見にいきました。タイトルからスピーシーズ的な怖いやつかな、と思ってたんですけどそうじゃないらしいので見てきました。

 

 

スッキリ映画でした。実はね、見る前に同じ監督のオクジャっていう映画も見たんですけど、こっちもまぁまぁスッキリでした。

 

しかし、映画館で見るにはきつい映画で、途中何度席を立とうかと思ったか、結局一回席をたってしまいました。これは別にこの映画が面白くないとかそういう話じゃなくて、完全に僕サイドの問題なんです。

 

子供の頃からホラー映画にしろなんにしろ、「ドキドキハラハラ」というのを安心して見られないんです。ほら、一時期「共感性羞恥心」って言葉が流行ったじゃないですか。「もうすぐ恥をかきそうなシーンが見られない」みたいな。そういう話と感覚は非常に似てるんです。家でもそういうシーンがあると意味もなく寝室へ逃げ込んだり、家の中をうろうろしたりして妻に「うるさい」とよくたしなめられます。で、この映画は途中そういうシーンになります。もうそうなるとダメ。目をつむり、耳を塞ぎ、そわそわしだす。そうしながら自分で「なんのために見にきてるんだ」と変な感覚になったり。なので、そういう映画はゆっくりうろついてオッケーな家で見たいです。

しかし、面白いことに、僕の実生活では羞恥心という概念が欠如してるんですよね。多分他人から見れば顔から火が出るようなことも割と平気。客観的に自分を見ることができないのかもしれません。ひどく主観的なFPSのような世界観で生きてるのかもしれない。

 

で、内容の方に話を戻すと、主人公の男の子の「チェウシク」の演技がめちゃくちゃうまい。かっこいい顔してるんだろうけど、劇中の情けない顔がすごい。こんな情けない顔なかなかできないってくらい情けない顔する。最後はえらい大人びた顔してる。

貧富の差を色や音、カメラワークなんかで印象的に使い分けてる感じがして見ていて面白かったです。

徐々に主人公一家が貧困を突きつけられ、変えがたい根本的な違いに苦しむその様子は見ていて苦しくなるものがありました。その苦しさや歪みをお父さん役のソンガンホが一身に受け少しずつ壊れていき最終的に失敗しない計画は無計画だ。と言い切るシーン。このあたりは常に胸を締め付けられる思いでした。

序盤はコメディ色が強いんですが、徐々にその笑いが狂気を孕んでいく異常性、ボタンの掛け違いが最後でまとまる快感。僕は、この映画好きでした。

 

感想としてはそれくらいかな。書く前に完璧な文章を目にしてフリーズしてたんですけど、まぁ書いたのでよし。また何か思うことがあったら付け加えます。